企画展「将軍綱吉と元禄の世〜泰平の中の転換〜」

　2009年は、徳川綱吉の没後三百年にあたります。本展示では、これまであまりとりあげてこなかった将軍綱吉について、自筆の書画やゆかりの品を中心に紹介します。

　元禄という時代は、戦国の世を直接体験していない人びとが社会の大半となり、人びとの意識や価値観が徐々に転換していった時代です。こうした転換の時代に将軍となった綱吉は、後世「犬公方」の由来となった「生類憐みの令」を発したことで知られています。この法令の背景には、人を含む生き物全てを慈しみ、その生命を大切にしようとする、綱吉の思想をみることができ、まさに「平和な時代」を象徴する法令であったといえます。　

　本展では、徳川綱吉と彼をめぐる人びとの絵画・書跡などを展示するとともに、平和のなかで発展する華やかな元禄文化を代表する作品も合わせて展示していきます。

展示構成
　　 プロローグ　将軍家綱から綱吉へ
　　 第一章　　　将軍綱吉とゆかりの人びと
　　 第二章　　　元禄時代の文化
　　 第三章　　　将軍綱吉の治世
　 　 エピローグ　将軍家宣の時代へ