第6回「徳川家康公作文コンクール」

家康賞（優秀賞）

　石見銀山に行ったきっかけは私の祖母が歴史好きで私達と石見銀山に行ってみたいとさそわれたからです。石見銀山は山あいの町なので車から降りて観光センターまで二十分位かかりました。私は祖母を気づかい、祖母に人力車をすすめました。そうしたら私も人力車に乗ることになりました。

「どこから来たの。」
と車夫さんに聞かれたので
「岡崎からです。」
と答えると
「岡崎は徳川家康の生まれた所だね。」
と言われました。
「石見銀山が世界遺産になったのは徳川家康のおかげなんだよ。この自然も遺産として世界が認めてくれたんだ。徳川家康が植林をしていたんだよ。」

と説明してくれました。私は石見銀山がどのように徳川家康と結びつき、ここで暮らしている人になぜ感謝されているのか調べてみたくなりました。

　世界遺産登録が延期されていた石見銀山が、登録決定に決まったキーワードは「自然との共生」だそうです。江戸時代に植林を行っていたことは事実でした。そうすると徳川家康はじめ徳川家が森林管理、植林を行ってきたことによって世界遺産になったと思います。

　石見銀山はお寺や神社、働いて亡くなった人を供養する地蔵仏、またたくさんの宗派が狭い地域内に集まっていてめずらしいそうです。このことからも家康の思想、自然観、人や山への思いが分かります。家康の心が、ここに住んでいる人達にも伝わって、土地の人は、それを守りながら今まで暮らしてこられたのだと思います。江戸時代の人は自然に対して知恵をしぼったと思います。石見銀山は緑におおわれていて道も細かったです。山は必要最低限しかこわされてなく、再生されていました。

　家康は、関ヶ原の戦いに勝つと十日後に石見銀山を支配しましたが、前に支配していた毛利家に仕えていた人で優秀な技術を知っている人は大切にしました。そして家康は大久保長安を初代石見銀山奉行として選びました。長安は猿楽師の息子として生まれ、当時「猿楽」は低い身分とされていました。そこで岡崎の今の上和田出身の大久保忠隣が長安の才能を大事にし大久保姓をあげました。忠隣は家康に長安をすいせんしました。そして家康に選ばれたのです。その後家康は一六〇三年に石見銀山を「一山は一国」とし「御直山」としました。長安は期待にこたえて、銀山をほるのに新しい技術を取り入れたので、たくさんの銀がとれました。特に銀がとれた「釜屋間歩」は「伝兵衛」という人が長安にたのみ開発費を出してもらいました。そこでたくさんとれたので家康は伝兵衛を伏見城に呼んで辻が花染めの道服と愛甲の扇子をあげています。そして「備中」の称号も与えました。このころ、石見銀山は世界の三分の一の量の銀を産出していたそうです。しかも銀をほるのはすべて手ぼりで世界の人々をびっくりさせたそうです。そのことも世界遺産になった決め手だそうです。

　私は家康は人を見ぬいて引っ張っていく力があり、その人を大切にすると思いました。家康は長安を大事にして「石見守」の肩書きを与えて出世させ、長安は幕府の中心にまでいきました。家康はとれた銀を幕府に十のうち四、色々経費もかかるから長安に六あげたそうです。家康は長安をすごく信頼していたと思います。

　石見銀山が発達した背景には確かに徳川家康と三河武士の活やくがあったと思います。そして今も銀山には江戸時代の人の暮らしたあとや屋敷がたくさん残っていて、そこで暮らす人々に大切に守られています。

　今回、世界遺産「石見銀山」と徳川家康や三河武士の結びつきを調べてみて、改めて岡崎に暮らしていることをほこりに思いました。世界の人々にもっと家康の事を知ってもらいたいと思います。他の世界遺産についてもまた調べてみたいと思いました。