久能山東照宮博物館　常設展示

「幕末期の徳川将軍家と薩摩」

　幕末の薩摩、というと｢倒幕の立役者｣という印象が強く、幕府と反目する面がしばしば強調されます。しかし、元来薩摩藩の藩主である島津本家と徳川将軍家の間には、5代藩主継豊と5代将軍綱吉の養女竹姫の婚姻に象徴される深い交流がありました。そして、大政奉還後、西郷隆盛による江戸城総攻撃を回避するために尽力したのは、11代藩主斉彬の養女で13代将軍家定の正室となった天璋院でした。また、�ｺ川宗家には幕末に活躍した島津久光・忠義父子ゆかりの品のみならず、西郷隆盛による作品も伝来しています。本展示を通して、幕末に至ってなお存続した徳川将軍家と薩摩の繋がりの一端を、皆様にご紹介いたします。

会　期	2017年8月17日（木）〜2017年10月18日（水）
展示資料	・徳川家定筆　松図 　・徳川家茂筆　｢老鶴萬里心｣ 　・漢詩　島津久光筆 　・雪景山水図　島津忠義筆 　・漢詩　西郷隆盛筆 　・天璋院所用　黒塗牡丹文蒔絵爪箱・銀製菊花蝶彫小箱 　・磯花見絵図